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外国人の労働環境と日本語学校の留学生のキャリア形成について

近年、外国人留学生は、日本語学校修了後、大学や大学院に進学をすることがスタンダードでありました。しかし、日本語学校を修了後に就労ことを選択する留学生が年々増加しております。その結果、留学生自身、留学から短期間で、ビジネス日本語はもちろん、文化理解など多くのビジネススキルやビジネスマインドの習得が必要となってきます。この記事では、日本語教育事業部 就職課 鳥居丈人マネージャーより、外国人の労働環境を受け、ヒューマンアカデミーが提供する留学生のキャリア形成についてご紹介いたします。

・日本の外国人労働者推移

外国人の雇用状況について、2019年10月末現在で約1659000(前年比13.6%)となっており、外国人を雇用している事業所数、外国人労働者数ともに過去最高の数値を更新しています。

コロナの影響がなくオリンピックが開催されていたとすると、建設工事増に伴う人材需要や宿泊・外食業でのインバウンド対応など、外国人労働者は2020年には200万人に迫ると想定されていました。

厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在).png

(厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在))

在留資格別の内訳をみると、

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「身分に基づく在留資格」・・・32.1%
 *永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者等、定住者
「技能実習」・・・23.1%
「資格外活動」・・・22.5%
 *資格外活動(留学)を含む
「専門的・技術的分野の在留資格」・・・19.8%
 *高度専門職(1号・2)、技術・人文知識・国際業務、特定技能等
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となっており、

厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在)図3.png

国籍ごとでは

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ブラジル、ペルー、フィリピンでは「身分に基づく在留資格」が最も多く、中でも「永住者」の割合が高い
ベトナム、インドネシアでは「技能実習」が最も多く、次いで「資格外活動(留学)」が多い
G7(8)、韓国では「専門的・技術的分野の在留資格」が最も多い
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と、特徴が分かれています。

・留学生の資格外活動(アルバイト)

上記にもある通り、もはや国内の労働環境において外国人労働者、中でも留学生の資格外活動(=28時間/週以内のアルバイト等)は欠かせないものとなってきており、2018年10月末現在、約30万人の留学生が、資格外活動を行っています(外国人労働者の約20%が外国人留学生)

この人数は前年比で約39000人増えており、私費留学生の7割以上が何らかの資格外活動をしているということとなり、比較的軽労働のアルバイト市場においては、今後も留学生のニーズは増えていくと思われます。

・特定技能制度

深刻化している国内の人材不足に対応するために20194月より新設された制度で、「介護」「建設」「宿泊」「農業」「漁業」「飲食料品製造」「外食」など、14業種が対象となっています。

2020年9月末での特定技能1号における在留外国人数は8,769人で、そのうち5,341人がベトナム人となっています。

ただし、初年度に想定した14業種の受入人数目標の47000(5年間の合計受入人数目標は最大345150)に対しては遠く及んでおらず、制度の利用が進んでいない状況が伺えます。

出入国在留管理庁 特定技能1号在留外国人数(令和2年9月末現在).png

(出入国在留管理庁 特定技能1号在留外国人数(令和2年9月末現在))

・日本語学校修了後の留学生の就職状況

日振協(一般財団法人日本語教育振興協会)の「令和元年度 日本語教育機関実態調査」によると、2018年度の国内の日本語学校を修了した29,040人のうち、修了後に就職した留学生は2,111(7.2%)で、前年度(1,703)に比べて+408(1.1%)となっています(進学率は75.3%で前年比▲0.9%)

国籍別でみると前年比で、

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韓国が+3.0%
モンゴルが+2.4%
ミャンマーが+2.2%
中国が+1.6%
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などの国が、全体と比較しても増加傾向にあります。

・留学生の就職活動の課題

外国人労働者や留学生の資格外活動、日本語学校からの就職者数が増えている一方で、留学生の就職活動には課題も見受けられます。

外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査 - 経済産業省.png

(外国人留学生の就職及び定着状況に関する調査 - 経済産業省)

日本の(新卒)就職活動は世界でも独特な形式といわれており、多くの留学生が「日本の就職活動の仕組み」に戸惑っていることがわかります。

レジュメの提出のみで採用が決まる国もある中で、卒業年次の1年前から始まるスケジュール感覚や複数回行われる筆記試験や面接は留学生にとって高いハードルとなっています。

受入れ企業もほとんどの企業(外資系企業も含む)が留学生も日本人学生と同じ採用枠・採用方法で募集しており、留学生がその動きに合わせざるを得ないのが実情で、特に日本語学校の留学生は原則最長でも2年間しかない在学期間中、日本語の習得と就職活動を並行して進めていかねばならず、相当の努力が必要となっています。

また、就職活動以前の資格外活動においても、母国での修学・就業においてハイスペックなバックボーンを持っていたとしても、日本語力が足りないという点だけで最低賃金でアルバイトをしている留学生も多く存在し、本質的な労働力不足解消につながっていない「社会的なミスマッチ」ともいえる状況となっています。

・留学生のキャリア形成について

上記の課題を解消するうえで、留学生自身のキャリア形成が必要となってきます。

留学生が日本の就職活動を理解し受入れること、日本の企業文化を正しく理解し、自らのポテンシャルを活かして活躍できる企業を見つけることができるようになること、そのスキルを身に付けていくことで自立した就職が可能となります。

また、留学生側だけでなく、外国人を受入れる企業のマインドの醸成も必要であると言えます。

企業が日本語のレベル感だけでフィルタリングするのではなく、留学生の本来持っているスキルを見極めて、さらに伸ばすことができる土壌づくりも同時に進めていかなくてはいけません。

ヒューマンアカデミー日本語学校では、上記を踏まえて留学前より修了後の就職を見据えた「就職留学コース」を設置していきます。

【就職留学コース概要】
一定の基準を満たした留学生に対し、入学(来日)前から就職カウンセリングを実施
入学後に「日本語学習」「就職対策講座」「ビジネス日本語講座」を学習、受講
留学生のバックボーン・希望と外国人労働者の受入れを希望する企業をマッチング
マッチングが成立した企業で学習期間中(授業外時間)にインターンシップ(有給)を実施双方の合意を持って内定、修了後に就業開始

現在はコロナの影響により、労働市場全体が大変厳しい環境となっていますが、アフターコロナになれば、中小企業をはじめこれまで以上に多くの外国人労働者が必要とされるようになってくるでしょう。企業側の外国人労働者を受け入れられる体制をつくられるために、ヒューマンアカデミー日本語学校では、「就職留学コース」を展開することで、留学生が修了後も日本に残り、「社会的なミスマッチゼロ」の実現を目指してまいります。

※事業部・役職名は2021126日現在になります。

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