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STEAM教育

「サイエンス夏フェス2023」イベントレポート

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ヒューマンアカデミージュニア サイエンスゲーツ科学教室では、子どもたちに、「サイエンスのおもしろさをもっと楽しく学んでほしい!」 そんな想いから、毎年夏と冬の年2回、サイエンスフェスを開催しています。今年も 6月25日にオンラインイベント「サイエンス夏フェス2023」が開催されました。子どもたちの知的好奇心が大いに刺激された様子を、イベントレポートとしてお届けします。


「サイエンス夏フェス2023」

 今回のテーマは「しりたいがとまらない!目のひみつをしらべちゃおう!」
ロート製薬株式会社様の協力を得て「アイケアについてのクイズ大会」や「ロート製薬の商品開発秘話」「工学博士・樋口雅一先生によるインタビュー」など、さまざまな楽しいコンテンツを用意しました。

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 現在、世界で「STEAM教育」が注目されています。STEAM教育とは、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)を総合的に学習する新しい学びの枠組を指します。分野を横断して総合的に学ぶことで、クリエイティブな発想で色々な問題解決をしたり、目的を実現していくための手段を試行錯誤しながら考えることができるようになります。AI時代ともいわれるこれから、社会のあらゆる事項でテクノロジーが深くかかわっていき、1つのことだけではなく、様々なことを様々な角度から見たり考えたり産み出したりする力が重要視されていくのです。
 「サイエンス夏フェス2023」は、そんなSTEAM教育の一端を楽しく感じていただいたり、またその様子をみんなで見ながら考えてもらう機会を提供しています。このフェスには、日本中から科学が大好きな子どもたち325名の登録がありました。
 オンライン開催でも会場で子どもたちの表情が見えるようにビジョンを設置し、子どもの様子を見ながら、楽しく参加できるように、チャットで会話したり、呼びかけたり色々な工夫がされていました。


「サイエンス夏フェス2023」ゲストのご紹介

ロート製薬株式会社様より3名のゲストに来ていただきました。

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△左からオカリナさん、うらんさん、こっちゃんさん
 ロート製薬では、呼び名は役職でも氏名でもなくニックネームとのこと。素敵な取り組みですね。


更に、もうお一方。
ロート製薬公式Vチューバ―の根羽清ココロさんも登場します。

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そして、サイエンスゲーツではおなじみの樋口雅一先生
司会を務めたのは、ヒューマンアカデミーの藤本美恵子と三井崇央です。

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サイエンス夏フェスがスタート!

プログラム①「目を大切に!クイズ大会からスタート」

最初のプログラムは、「目に関するクイズ」。クイズに答えながら目を大切さを学びました。

まずは、ウォームアップクイズにチャレンジ。

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樋口先生から、クイズの回答と同時に
人は、色々な情報を目(視覚)から取り入れているとのお話がありました。
目はとても重要だということがわかりますね。

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クイズが続きます。
Q:タブレットを使う時の正しい姿勢は?
A:これが正しい姿勢です。
 目とタブレットは、30センチ以上は開けましょう!ポイントが5つあります。

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先生が自らお手本をしめしてくれました。

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△「この姿勢だよ」と画面を超えて子どもに話かける樋口先生

Q:スマフォやタブレットを使う時に、何分に1回休むといいのか?
A:正解は、20分~30分に1回。20秒くらい休みましょう。
  休む時のコツは、目の筋肉を休めること、遠くをみて目を休めること。実践したいですね。

クイズが終わると、根羽清ココロさんが目の体操を披露。
子どもたちは、学校でもおうちでもスマフォやタブレットを使用することが多くなっています。
根羽清ココロさんと一緒に「まばたきストレッチ」にみんなでチャレンジしてみました。
子どもたちも楽しそうに、根羽清ココロさんの歌にあわせて目をリフレッシュさせていました。


プログラム②「もっと知りたい!ロート製薬の商品、いろいろ大しょうかい」

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実は、目薬にも、形や色が違う様々な容器があることを知っていますか?
ロート製薬の商品開発秘話を披露していただき、樋口先生が「そこには科学の力があるんだよ!」と一言。

目薬はビタミンAが入っていることもあり、これが熱や光に弱く、容器で紫外線をカットしなければなりません。
お客様によって好きな容器の色や形が違うし、目薬にビタミンAのように光に弱い成分が入っている場合は、その成分を守ってあげる必要があります。製品ひとつひとつについて、こういった様々な視点から、最適な容器の色や形を決めているのです。

▽どの角度でも目薬をさすことができる形になっているなど、"誰でも使いやすい"工夫も・・・

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また、コンタクトレンズを使用している人も多いため、コンタクトレンズをしたままで使用できる目薬の開発もしています。目薬にいれる成分によっては、コンタクトレンズの大きさが変わってしまったり、変形してしまったりします。
そのため、非常に苦労や失敗が多かったそうです。


次に実際に<サイエンスゲーツ>で学んでいる科学の知識が、世の中に役立つことが実感できるエピソードをお伝えします。

プログラム③「アイフォースリーたんじょうものがたり」


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オカリナさんは学生時代にインドに渡りスラムの子どもを助ける活動をしていました。
この時の経験から、世界の人を救いたいという思いがふつふつとわいてきたそうです。

その後、縁がありロート製薬に入社し、商品企画部で目薬開発を担当することとなりました。
毎日目にする、たくさんの工夫がされていて、光や熱を通さない目薬の容器。
でも開発や製造にあたり失敗作もあるし、制作現場では大量の廃プラスティックが出てしまう。これは大きな問題です。

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そんな折、オカリナさんは、ロート製薬の社内ベンチャー制度の募集があり、応募することとしました。
まずはこの目薬容器から出る廃プラスチックをなんとかリサイクルできないか?というところから考えはじめ、
「そうだ。目を紫外線から守るサングラスやブルーライトカットグラスにしてみよう」と思いつきました。

事業の内容が認められ、無事アイフォースリー合同会社が設立
ところが、何度も何度も廃プラスチックからのメガネフレーム作りは失敗のくりかえし。事業提案から2年以上たち、ついに製品化できたそうです。

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サングラスとメガネの売上の一部を世界の白内障手術に寄付し、生まれにかかわらず全ての人が健康な世の中を目指していきます。(https://eyeforthree.com/)

まとめ

ゲストのオカリナさん、うらんさん、こっちゃんさんに、商品開発に関して一言いただきました。
オカリナさん「何回もやってみる」
うらんさん「失敗してなんぼ」
こっちゃんさん「答えは人の数だけある。学びは無限大∞」

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最後に、樋口先生が本プログラムを通したお話をフリップに・・。
そこには、「やっぱりね 大切なのは コウキシン 。なければつくる、しっぱいよっしゃ」と書かれていました。

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「失敗してもいいんだよ」ではなく「失敗して良かったね」の言葉が印象的ですね。


▲全員がかけてみたこの眼鏡は・・・!

実は、アドバイザーの樋口先生の想いがこめられている眼鏡でした。
世界初の「物質科学と細胞科学の専門家が集まっている研究拠点」で、異分野融合の新しい科学を生み出している樋口先生。
「伝えたいことはメガネにするといいんじゃないか!」と思ったとのこと。

子どもにも大うけのメガネ。樋口先生がかけている一番下にあるメガネは、科学の各分野を象徴するミジンコ(生物)とフラスコ(化学)、リンゴ(物理)をかたどった飾りがついている!

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世の中に役立つ事業や商品には科学の力が活かされて、それは何度も試して失敗しての繰り返しであることを感じる時間になったのではないでしょうか?樋口先生やロート製薬株式会社の社員の方のように、サイエンスの現場にたずさわっている大人と関わることも子どもたちには財産になったに違いありません。


ヒューマンアカデミージュニア サイエンスゲーツ科学教室は、子どもが理科や科学を好きになり、好奇心や探求心を育むことができる科学実験教室として、さまざまな学びの場を提案していきます。そして日常の中で「驚き」と「感動」を与え、また、そういう機会を今回のロート製薬株式会社のような企業とのコラボレーションでも幅広く取り組んでいきたいと考えています。

ぜひ、我々と一緒に子どもたちの未来を創っていきたい人や企業も募集中です。次回のイベントはぜひご一緒に!
 

▼ヒューマンアカデミーサイエンスゲーツについての詳しい内容はこちらから
https://kids.athuman.com/kagaku/


▼当日の様子は、ユーチューブにあがっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4quTc0hHqMc&t=148s

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