STEAM教育
学ぶ楽しさ無限大!「サイエンス夏フェス2022」イベントレポート
子どもたちに、サイエンスのおもしろさをもっと楽しく学んでほしい! そう感じたことはありませんか? 6月26日に、ヒューマンアカデミージュニア サイエンスゲーツ科学教室によるオンラインイベント「サイエンス夏フェス2022」が開催されました。子どもたちの知的好奇心が大いに刺激された様子を、イベントレポートとしてお届けします。
★当日の様子をダイジェスト版にした動画はこちらからご覧いただけます。
申込数400人超え!「サイエンス夏フェス2022」とは?
「サイエンス夏フェス2022」は、ヒューマンアカデミージュニアの受講者などを対象に、6月26日13時〜14時にオンラインで開催されました。主催は、身近な科学現象を扱いながら、サイエンスのおもしろさを伝える「ヒューマンアカデミージュニア サイエンスゲーツ科学教室」です。このイベントの申込数は、なんと400名以上。ご兄弟姉妹での参加や親子での参加など、オンラインだからこそ自由にどこからでも参加していただき、大変盛り上がった雰囲気となりました。
▲日本中から科学が大好きな子どもたちが集まり、和やかで楽しい時間を過ごせました。
現在、世界では「STEAM教育」が注目されています。STEAM教育とは、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)を総合的に学習する新しい学びの枠組を指します。分野を横断して総合的に学ぶことで、クリエイティブな発想で問題解決をしたり、目的に向かって実現していくための手段を試行錯誤しながら考えていきます。AI時代ともいわれるこれから、社会の中でテクノロジーが深くかかわっていき、1つのことだけではなく様々なことを様々な角度から見たり考えたり産み出したりする力が重要視されていくのです。
「サイエンス夏フェス2022」は、そんなSTEAM教育の一端を楽しく感じていただくため、またその様子をみんなで見ながら考えてもらうために開催されました。特にサイエンス分野は「実験」や「体験」が欠かせないものであり、それを通じて課題を見つけたり、そこから創造したりしていきます。しかも、今回の取り扱いテーマもそうであるように、身近なところにあるのが「サイエンス」です。STEAM教育というと構えてしまいそうですが、そういう身近なサイエンスからSTEAM教育を感じ、学んでいくことができるものだと考えています。
そこで今回取り扱ったテーマは、お菓子の「グミ」です。株式会社 明治の協力によって、「もののかたさ」を通して科学技術を学ぶオンライン講座を実施しました。プログラムには、株式会社 明治からマーケティング本部の吉川さん、商品開発の臼杵さん、技術研究所の井上さんの3名にもご参加いただきました。実際に商品開発にも使われている最新科学技術「ORAL-MAPS\オーラルマップス®」をテーマに実践的な学びを子どもたちに経験してもらいました。
▲株式会社 明治からご参加いただいた吉川さん、臼杵さん、井上さんです(左から)。貴重なお話をたくさん聞けました!
▲株式会社 明治のグミをはじめ、様々なグミを子どもたちにもそれぞれ用意してもらって参加してもらいました!
プログラム①みんなで参加!アニメやクイズで「グミのヒミツ」まるわかり
まず、最初のプログラムは、グミについてアニメやクイズで学ぶ時間です。参加中の子どもたちは好きなグミを各自で用意して視聴しているため、まずはグミをみんなで一斉に食べることに。
ここで気をつけてもらったことは、「グミを食べ終わるまでにどれくらい時間がかかるのか?」ということです。画面上に表示されたタイマーで時間を計測して、それぞれ選択肢に投票してみると、みんな食べ終わる時間が異なることがわかりました。この理由は、「グミの硬さが、種類によって異なるから」。グミは色や味にも違いがありますが、硬さも重要な要素のひとつです。
そこで、食べ物の硬さを調べる最新機械「ORAL-MAPS\オーラルマップス®」の開発秘話を、アニメで学びました。開発開始からすぐに理想的な結果は出ませんでしたが、地道に実験を続けた結果、2020年に完成したとのこと。これによって作成した6段階の<食感チャート>は、明治製菓の全グミのパッケージに記載されているそうです。
▲これが、株式会社 明治の社員さんたちの努力の結晶でもある「ORAL-MAPS\オーラルマップス®」です。思ったよりメカニック!
実際に、機械が動く様子も動画で視聴でき、普段はなかなか見られない光景に思わず胸が躍ります。まるで、人が本当に食べ物を噛んでいるかのような動きでした。歯の部分をどんな形にするか、噛む様子を再現する過程が一番難しかったそうです。
このあとは、「グミクイズ」にみんなで挑戦しました。問題は、「グミの硬さは何で決まるのか?」です。
答えは、「ゼラチン」! ゼラチンが多いほど、グミの硬さは増します。加えて、株式会社 明治が開発した日本初の国産グミは、日本人の口に合うよう柔らかめに作られたことなど、グミの歴史にも触れました。
こういう話を聞いた後に改めてみんなで一斉にグミを食べると、最初とは少し違った感覚が味わえたように思えます。硬さやメカニズム、開発時の話を聞いたことで、さらにおいしくグミを食べられたのかもしれませんね。
そして、サイエンスゲーツではおなじみのアドバイザー・樋口雅一先生も登場。
▲樋口先生は、サイエンスゲーツの監修者です。講演会やメディア出演を通して、日本中に科学の面白さを伝えています。
なんと樋口先生は今回、グミをたっぷり使用した特製メガネも披露してくれました。
▲樋口先生のトレードマークのメガネも「グミ」で特注!実際にグミは食べられます。
そして、株式会社 明治の井上さん、白杵さん、吉川さんが話してくださった中で、子どもたちへのメッセージはとても印象的でした。
井上さん「自分と違う意見も大切に。自分で見つけた自分の意見も、とても大切です。でも、自分と違う意見も大切にしてほしいと思います。なんでそう考えたか?ということを聞いてみると、実は同じ事を考えていたりするかもしれません。それに、難しい問題に出会った時に、いろいろな考え方を知っていると、いろんなアイデアが出せると思います。」
臼杵さん「実験に失敗はない。目標と違うものができたとしても、それが今までにない大発見になることがあります。これからもいろいろなことにチャレンジしていってください。」
吉川さん「気になったことは調べてみてください。普通に生活をしていると、わからないことが目につくことが多いですが、私は必ず調べるようにしています。たとえば、町に生えている草花も、名前を調べると、これまでの雑草という言葉を使わなくなります」
日頃、子どもたちは自分の親や学校の先生などが身近にいる大人だと思うので、そうではない大人からのメッセージ、しかも子供たちが普段よく食べるグミを開発している人たちからのメッセージはきっと新鮮で心に響いたことでしょう。
また、マーケティング本部の吉川さんは毎週火曜日に5-6軒のコンビニを回って、新商品調査を行っているとのことでした。業界全体が同じ火曜日に新商品を発売しているそうで、日常のなかでもリサーチをする姿勢にとても仕事熱心さがうかがえるエピソードでした。
きっと子どもたちにとってもふだん何気なく買い物をしているウラに、このような工夫があることは驚きだったのではないでしょうか。
プログラム③大切なのは「好奇心」サイエンスがもっと好きになるお話
最後に、総括として樋口先生が本プログラムを通したお話をしてくれました。フリップには、「やっぱりね 大切なのは コウキシン 」「よ〜くしらべて ほらあたらしい!」と書かれています。
▲樋口先生直筆のスローガンと当日かけていた特注メガネ
樋口先生「好きであることは、やっぱり大事だと思ったんです。そして、新しいことをやらないとだめなんです。新しいことをするためには、よ〜く調べてみてください。よく調べてみると、そこからまた新しいものが出てきます。そして、新しいものを調べるためには、これまでわかってることをいっぱい調べておくことが大事です!」
まとめ
グミという身近な食べ物を通して、科学技術を楽しく学べるのはもちろんのこと、「どんな姿勢を持って学ぶか」「大人になるまで、どんな生き方をすべきか」についても学びが得られる時間だったのではないでしょうか。
今回の「サイエンス夏フェス2022」は、単に科学の勉強をするだけではなく、子どもの興味関心を身近なものから引き出し、そこから考える力を育むきっかけづくりとなる、充実したイベントになりました。また、オンライン開催だからこそ、全国から400名以上の子どもたちが参加でき、樋口先生や株式会社 明治の社員の方のように、サイエンスの現場に携わっている大人とも関わることのできる機会にもなりました。
ヒューマンアカデミージュニア サイエンスゲーツ科学教室は、子どもが理科や科学を好きになり、好奇心や探求心を育むことができる科学実験教室として、さまざまな学びの場を提案していきます。そして日常の中で「驚き」と「感動」を与え、また、そういう機会を今回の株式会社 明治のような企業とのコラボレーションでも幅広く取り組んでいきたいと考えています。
ぜひ、我々と一緒に子どもたちの未来を創っていきたい人や企業も募集中です。次回のイベントはぜひご一緒に!
▼ヒューマンアカデミーサイエンスゲーツについての詳しい内容はこちらから