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STEAM教育

個性と才能が輝いた!未来のロボット工学博士たち 文部科学省後援「クリエイティブロボティクスコンテスト2025」開催レポート

 未来のイノベーターたちが、自らの手で創造したロボットと情熱あふれるアイデアを一堂に会する祭典、「クリエイティブロボティクスコンテスト2025」が、20251123日(日・祝)、東京・渋谷のGMOインターネットグループ グループ第2本社「GMO Yours・フクラス」にて開催されました。

 「ロボット工学は最強だ!」をスローガンに、ヒューマンアカデミー株式会社の児童教育事業「ヒューマンアカデミージュニア」と一般社団法人未来創生STREAM教育総合研究所(RISE)が共催した本コンテストは、その教育的意義が認められ、文部科学省の後援を得て、今年も熱狂とレベルの高さを見せつけました。

 本記事では、創造力と技術力を駆使して未来を変える挑戦を続ける子どもたちの姿、豪華審査員による熱い講評、そしてコンテストを支えた各界のプロフェッショナルによる特別講演の詳細をお届けします。

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未来の工学博士が集結! -- 熱気あふれる会場の様子

 今年の会場は、渋谷の中心に位置する近未来的なオフィス空間「GMO Yours・フクラス」でした。会場に足を踏み入れた瞬間、あたたかく優しい木の素材が活かされた会場で、参加者たちの緊張感と、ものづくりへの純粋な情熱が混ざり合った独特の熱気に包まれます。

 事前審査を通過して集結した選ばれし中・高校生たちが、自ら設計・プログラミングし、自作したロボットを携えて会場に集まりました。各自座る椅子の前にあるテーブルの上には部品やパソコン・タブレットが並び、自作のロボットを前に、プログラムの最終調整やプレゼンテーションの確認に余念がありませんでした。

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 また、会場内には協賛企業による企業ブースも設けられ、ユカイ工学株式会社の「甘噛みハムハム」やコエテコbyGMOのヒト型二足歩行ロボット、蔵王産業株式会社の業務用大型清掃ロボット、数々のロボットコンテストに出場されている森永英一郎さんのトロフィーの展示など、子どもたちが最先端の技術に直接触れ、将来のキャリアを具体的にイメージできる交流の場ともなりました

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ハプニングはつきもの!タイムアタックレースはハラハラドキドキのパフォーマンス

 本コンテストは、未来のデジタル社会を生き抜くために不可欠な「創造力・表現力・実現力」を競う「テーマパフォーマンス部門」と、自作ロボットによる走破タイムを競う「タイムアタックレース部門」の二部門で構成されています。

 会場には、日本のロボット・IT業界の第一人者が審査員として参加してくださいました。

・古田貴之 審査員長(工学博士/千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター fuRo 所長/ヒューマンアカデミーロボティクスプロフェッサーコースアドバイザー)

・青木俊介氏(ユカイ工学株式会社代表)

・今堀健治氏(ヒューマンアカデミー株式会社 代表取締役)

・竹迫良範氏(神山まるごと高専 テクノロジー教育 教授)

・奥村悠氏(千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター fuRo上席研究員)

・山本蒼也氏(千葉工業大学学生・fuRO研究員/4・5回ロボプロ大会MVP

 山本さんは、かつて本コンテスト2年連続MVPに輝き、古田先生に評価され、現在は学生ながら研究員も務めています。コンテストがキッカケでこのような道を歩んでいる山本さんの事例も出場者の皆さんに勇気を与えています。

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 プログラムの最初は競技性の高いタイムアタックレースです。右折、左折、直線のコースが作られ、分岐となる部分には、カラーセンサーで識別できるように色がついています。学生たちには事前にコースはつたえられておらず、当日、コースを見てプログラム変更・改良する学生もいました。

 さて、いよいよ競技スタートです。参加者たちが自作の走行ロボットをコースに投入し、順番にタイムを競っていきます。1人2走でき、速かった方のタイムで順位がきまります。スタートの合図とともにロボットが駆け出し、観客席には期待と応援が渦巻きます。最速タイムを競う中で、ほんのわずかな動作のズレやセンサーの反応の差で勝敗が分かれ、会場もハラハラドキドキ。あるロボットは、コーナーでバランスを崩し脱線あるロボットは分岐で引き返してしまうスイッチを押しても走り出さないーなどハプニングが今年も続出!観覧席からは惜しむようなため息や歓声もあり、会場全体が盛り上がりました。

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 審査員の方々の興奮ぶりもすごかったです。西尾寺津教室の土谷 亘さんには、審査員が興味津々に、使っているギアや電池のことなどを確認していき、古田先生は「きみすごい!」とひと際褒めていました。

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 観客席も手作りうちわで応援にひと際熱が入っていたのが彦根インターの先生方。我妻 賢弥(中3)さんは1走目のミスを修正し、2走目は1811で銅メダルに!

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 そんな中、甲府南教室、小池楓さん(高2)が1走目に12秒69という圧倒的に速いタイムをたたき出し、そのまま優勝!実は小池さんは3年間このコンテストに出場しており、今回の出場を最後に決めていたそう。念願の優勝をつかむことができて安堵の笑顔を見せてくれました。

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 また、このタイムアタックレースにはエキシビションとしてDXハイスクール採択校の順天高校から4名(うち1名は体調不良で欠席)が参加してくれ、チームで作ったロボットで参戦!1走目は止まってしまい走行中止となってしまいましたが、 2走目は3637で完走。「1走目を修正してきた」「本格的なロボット製作の授業をまだうけたことない中、キットだけで作ったことがすごい」と審査員からも激励が送られていました。

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MVPは中学1年生!圧倒的機能とパフォーマンスを魅せた原石

 続いてのテーマパフォーマンス部門では、「世の中の人々の中にあるロボット」というお題をもとに、子どもたちは自由な発想で作品を制作、プレゼンテーションを行いました。面白いアイデアを出し、アイデアをしっかり固め、着実に創りあげる、「発想力」「創造力」「実現力」を競う部門です。

 配膳ロボットやごみ集め、近視の人のことを考えたロボット、警備ロボットなど、アイデアがあふれていました。

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 前回のMVPである福島森合教室の高校2年生、飯田空大さんは周囲の環境を感知し、リアルタイムで音楽を演奏するロボットを発表。LiDARで空間情報からメロディを、温度センサーで伴奏を変化させ、音楽によるコミュニケーションを円滑にするという装置で、「高校生でこの装置を使った人に初めて出会った!」と古田先生が絶賛するほど標準機能に捉われず、必要なキットを買い足して作るという探求心や工夫も評価されていました。

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 京都府の上桂駅前教室 高校1年生の蔭山 優輝さんは「魔法の杖で文字を描くロボット」を発表。魔法の世界を体験できる、杖で操作する文字書きロボットで、魔法の世界が大好きだという蔭山さんならではの世界観が現れていました。本型の外装から文字が現れるギミックで驚きを提供。会場の雰囲気もあたたかい空気が流れました。

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 そんな数多くのハイレベルな作品の中から、見事、最高峰の栄誉であるクリエイティブ最優秀賞(MVP)と神山まるごと高専賞に輝いたのは、中学1年生の加藤 歩夢さんでした。

 加藤さんの作品は、「こども専用舌下免疫療法薬箱Ⅱ」で、舌下免疫療法を頑張る子どものためのおもちゃ型薬箱を製作。自身の舌下免疫療法での経験から思いついたそうで、音声での服薬案内、待ち時間のクイズ、ごほうび機能で服薬をサポート。病院へのLINE通知機能までつけるという完ぺきな機能とプレゼンを披露。審査員だけでなく、会場の観客皆が度肝を抜かれた瞬間でした。

 審査員の奥村氏からは「舌下免疫療法をなんとかしたいという気持ちでここまで作ったモチベーションがすごい。」

 同じく審査員の山本氏からも「ハードもソフトも完璧。僕もアルディーノは中1で触ったことはなかった。今後の成長がすごくたのしみです!」というコメントをもらいました。

 さらに神山まるごと高専 教授の竹迫良範氏からは、「高専では2年生の授業でやる内容のものが入っており、この年齢ですでにやれているのがすごい。事業化・量産して、世の中から花粉症の人をなくすというようなこともできると思いますので今後も頑張ってください」という、深い期待が寄せられ、神山まるごと高専賞とのダブル受賞となりました。

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プレゼンテーション動画:https://www.youtube.com/watch?v=ud4IO75zTCY&t=14177s

豪華審査員と特別講師が語る「ロボット工学のイマ」と子どもたちに伝えたいメッセージ

 競技の合間には3名の審査員や現役エンジニアよる講義がこのコンテストの意義をグッと深めました。審査委員長を務めた古田 貴之先生(千葉工業大学 fuRo 所長)は、今まで自身が携わられたロボットの機能や、現在実装実験をして人々の生活をより豊かにするロボット開発の現状を紹介。「あるロボット掃除機は、8万回実験をした。自動運転、人工知能搭載の乗り物なども実装実験を繰り返しています。ものづくりには、新しいものを作る発想と根気強さが必要です。いろんな技術開発をして、リアルワールドで使うために試験を怠ってはならない。」という力強いメッセージを伝えました。

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 青木 俊介 氏(ユカイ工学株式会社 代表)の講義では、会社として試作を重ね、いま販売しているロボットなどを紹介するとともに、試作、販売の流れなども伝えてくれました。普段からアイデアを考えて、どんどん試作を重ねて作り、国内だけでなく、海外にも挑戦するといいのでは?という提案を学生たちに投げかけました。

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 森永英一郎氏(ソニーグループ株式会社 元DE MVP2007)は、「ロボットを作るってこんなに楽しい!―好きが未来をつくるー」をテーマに講演していただきました。森永氏はあの有名な犬型ロボットを手掛けていますが、今回のテーマ通り、なんと趣味でもロボット一筋!ロボットコンテストに42年間出場し続け、「ロボットを作ってこんなことを成し遂げたい!」という強い「好き」が、最高の技術を生む原動力になる、「ロボットをつくるのはほんとうにたのしい、いろいろなロボット大会に挑戦しよう、真似する&工夫しよう。」と伝えてくれました。

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今年のコンテスト総評と今後のロボット業界を発展させる教育とは?

 コンテスト最後を締めくくるのは、表彰式。クリエイティブ最優秀賞(MVP)やテーマパフォーマンス部門賞、タイムアタック部門賞、技術賞・デザイン賞など、計15部門の受賞者がひとりずつ呼ばれていきました。

 受賞を告げられた瞬間、子どもたちは驚きと安堵の表情をみせ、仲間からの祝福の拍手に包まれました。トロフィーをもち、誇らしげに立つ姿、保護者の目に浮かぶ涙。選ばれなかった方はこの悔しさをばねに来年ぜひまた挑戦してほしいと願います。

 審査委員長の古田先生は「毎年レベルが上がっている中、今回MVPはすぐに決まりましたが、それ以外の方は本当に迷いました。これまではデザイン、メカ、ソフトのどれかがすごいという方が多かったですが、トータルに全部できている人が増えていたからです。さらに、ロボプロの標準キット以上のことをやる人が多くいたので、非常に驚き、感動しました。実装レベルのロボットを作るには、何万回とテストをしたり地道な努力が必要です。皆さんと一緒にロボットが作って、社会人として一緒に仕事がしたいです」と締めくくりました。

 表彰式の後、子どもたちや保護者、講師たちが互いに祝福し合いながら話してくれました。

「ロボットを作るのは難しかったけど、自分で動いたときの喜びが忘れられない。来年はもっとたくさんアイデアを詰め込みたい」

「友達とチームで出てみたい」などの意見も出ました。

 教室の先生たちも、「今回のような大きな舞台を経験させることで、子どもたちの可能性が広がる」と話してくれました。

 クリエイティブロボティクスコンテスト2025は、ただの競技大会ではありません。子どもたちの"未来への挑戦を支える経験"であり、その経験こそが子どもたちに自信とさらなる挑戦意欲を引き出すのではないでしょうか?

 数年後、今日のロボットが誰かの日常を支え、あるいは新しい価値を生むかもしれません。
来場者の拍手、励まし、応援――そのすべてが、子どもたちの未来にとって大切な栄養になっているといいなと思います。

私たちは、その一歩を見守り続けます。

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 ヒューマンアカデミーは、「学びの面白さ」を提供する「Edutainment Company」として、子どもたちがロボット製作を通じて培う科学技術への関心、粘り強い問題解決能力、そしてプレゼンテーション能力を育んでいます。

 特に、全国2,000教室以上、27,000名を超える生徒が在籍する「ヒューマンアカデミージュニア ロボット教室」のカリキュラムは、動くロボットを自ら作り上げ、試行錯誤を繰り返すことで、新しい時代を生き抜く上で必要な学びの基盤を養います。

 その発表の場でもある「クリエイティブロボティクスコンテスト2025」は、単なる競技会ではなく、子どもたちが生み出したロボットのアイデア一つひとつが、技術と創造力の無限の可能性であると実感させてくれました。

 ヒューマンアカデミーは、これからも文部科学省をはじめとする公的機関や企業との連携を強化し、実践的なスキルの育成、キャリア形成サポートを通じて、日本の未来を担うイノベーション人材、デジタル人材の育成に貢献してまいります。

 未来の創造に情熱を燃やすすべての若者たちに、心からの敬意とエールを送ります。

【クリエイティブロボティクスコンテスト2025 開催概要】

イベント名 クリエイティブロボティクスコンテスト2025
スローガン ロボット工学は最強だ!創造・技術・人間力で未来を変える!
主催 一般社団法人 未来創生STREAM教育総合研究所(RISE/ ヒューマンアカデミー株式会社
後援 文部科学省
協賛

株式会社ケー・エス・ピー/Septeni Japan株式会社/株式会社ダスキン レントオール事業部/株式会社土佐電子/式会社CCG C.REP/ユカイ工学株式会社 他

会場提供元:コエテコ byGMO

開催日時 2025年1123日(日・祝)

開催場所

GMOインターネットグループ グループ第2本社「GMO Yours・フクラス」
審査員 古田貴之(工学博士/千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター fuRo 所長 ヒューマンアカデミーロボティクスプロフェッサーコースアドバイザー)、青木俊介(株式会社ユカイ工学 代表取締役)、今堀健治(ヒューマンアカデミー株式会社 代表取締役)竹迫良範 (神山まるごと高専 テクノロジー教育 教授) 他
総賞金 100万円以上(個人・所属教室へ)

【クリエイティブロボティクスコンテスト2025 入賞者】

賞名

都道府県

教室名

氏名

学年

ロボットタイトル/内容

クリエイティブ最優秀賞(MVP

愛知

豊田駒場教室

加藤 歩夢

中学1年生

「こども専用舌下免疫療法薬箱Ⅱ」
舌下免疫療法を頑張る子供のためのおもちゃ型薬箱。音声での服薬案内、待ち時間のクイズ、ごほうび機能で服薬をサポート。病院へのLINE通知機能あり。

文部科学大臣賞

福岡

小倉北教室

桑村 悠太郎

高校2年生

SketchBot
入力した画像を自動でアナログな絵として出力するロボット。逆運動学を用いてアームを制御する。

クリエイティブ優秀賞(準MVP)

京都

上桂駅前教室

蔭山 優輝

高校1年生

「魔法の杖で文字を描くロボット」
杖で操作する文字書きロボット。メカナムホイールによる精密な制御と赤外線通信で動作する。

タイムアタックレース部門
金メダル

山梨

甲府南教室

小池 楓

高校2年生

タイム 12.69

タイムアタックレース部門
銀メダル

東京

江戸川大杉教室

加藤 優真

中学2年生

タイム 14.37

タイムアタックレース部門
銅メダル

滋賀

彦根インター教室

我妻 賢弥

中学3年生

タイム 18.11

神山まるごと高専賞

愛知

豊田駒場教室

加藤 歩夢

中学1年生

「こども専用舌下免疫療法薬箱Ⅱ」

fuRo賞

福島

福島森合教室

飯田 空大

高校2年生

RevolvingSynth
周囲の環境を感知し、リアルタイムで音楽を

演奏するロボット。

ユカイ工学賞

京都

上桂駅前教室

蔭山 優輝

高校1年生

「魔法の杖で文字を描くロボット」

新人賞

愛知

清須西枇杷島教室

西川 育志

中学3年生

「デリボ」
配膳ロボットの「取りに行く手間」を解消する

ロボット。

初出場教室賞

茨木

研究学園教室

竹澤 奎志郎

中学2年生

「近視ブロックロボット」
近距離での読書を防ぐロボット。

アイデア賞

大阪

鶴見公園前教室

檜垣 葉多

高校1年生

「あやつり人形ロボ」

デザイン賞

福島

福島森合教室

飯田 空大

高校2年生

RevolvingSynth

技術賞

愛知

西尾寺津教室

土谷 亘

中学3年生

タイム 33.7

プレゼン賞

茨木

研究学園教室

竹澤 孝志郎

高校2年生

「投擲型警備ロボットThrow Robot

ヒューマンアカデミージュニア ロボット教室

URL:https://kids.athuman.com/robo/

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