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専門校教育

「データがもたらした野球界の変革」 元北海道日本ハムファイターズ 杉谷拳士さん×WBC日本代表チーム帯同アナリスト 星川太輔さん による野球アナリストトークセミナー

 2025年920日、総合学園ヒューマンアカデミー東京校にて、「スポーツカレッジ 野球トレーナー&アナリスト専攻」の開講を記念したオープンキャンパスが開催され、特別トークショーがおこなわれました。高校生や大学生に加えて、高校野球部の監督、顧問など多くの方が参加してくださいました。

 ゲストには、元北海道日本ハムファイターズの杉谷拳士氏と、2009年・2023年のWBCで日本代表チームに帯同したトップアナリストの星川太輔氏が登壇し、「勝つチーム」の裏側について、貴重なエピソードを交えながら対談形式で語りました。

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■杉谷氏の野球人生~野球を通して学んだ大切なこと~

 イベントは、ゲスト2人の野球人生を紐解く形で進められ、北海道日本ハムファイターズでプレイしていた杉谷氏の野球を始めるキッカケとなったできごとからスタートしました。

 次に、杉谷氏の野球人生を語る上で欠かせない、帝京高校時代の壮絶なエピソードへと移りました。高校1年生の夏、甲子園での出来事に、会場の皆が話に引き込まれ、笑いあり、驚きありの和気あいあいとした雰囲気に包まれました。「一球の大切さ」を心に刻んだ高校1年生の甲子園であったと、当時の心境を明かしました。

■データが語る杉谷氏の成績・データが変えた選手育成の最前線

 続いて、野球アナリストの専門である「データ」の話題へ。

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 杉谷氏の現役時代の成績データがスクリーンに表示され、それを見ながら星川氏はアナリストの視点から分析。この成績について、星川氏はアナリストの視点から併殺打が少ない、犠牲フライが多い、デッドボールが多いなど、「表向きの数字には出てこないけど、チームにおそらくすごく貢献していた」と指摘しました。

 特に「デッドボールの多さ」は、チームにとって非常に価値のある貢献であり、故障せずに様々なポジションを守り続ける姿は、チームにとって必要不可欠な存在だったことを示していると分析しました。

 その分析に対し、杉谷氏も納得すると共に、赤裸々に現役時代のエピソードを語ってくださり、会場を沸かせました。

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 星川氏は「当時はアナリストとトレーナーの間の情報交換がほぼなかった」ことについても指摘 。現在は、選手を育成するために両部署が連携して情報交換を行うことが重要視されており、アナリストにも身体の知識、トレーナーにもデータの知識が求められる時代になっていると語りました 。杉谷氏も、「現役時代に今のデータ分析環境があれば、練習の質や効率が上がり、もっと向き合い方が変わったかもしれない」と述べました。

■大谷翔平やWBCのエピソード

 対談は、大谷翔平選手とのエピソードにも及びました。杉谷氏は、同じチームで過ごした際の出来事などを語り、会場の皆、前のめりに聞き入っていました。

 一方、星川氏は、大谷選手が北海道日本ハムファイターズに入団した当初、基本的に他の選手はデータにあまり関心がなかったのに、大谷選手は関心を持って、スコアのことなど聞いてきたこと。しばらくたち、次に会った時には、大谷選手から星川氏に「トラックマンで測ってもらえませんか?」と依頼してきたことや、スイング解析デバイス「ブラストモーション」を装着していたエピソードを披露し、メジャーリーグでの経験を通じて、データ活用の重要性を自ら学んで実践していたことに驚いたと明かしました。

 大谷選手のストイックさを物語るもので、会場からも「うーん!」といううなずきや感嘆の声が聞かれました。

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■トップアナリストが語る仕事の流儀

 星川氏は、アナリストの仕事について、具体的な業務内容を解説。アナリストの仕事は、データをインプットして分析し、その結果を練習に活かすというPDCAサイクルを回すことだと説明 。しかし、データはあくまで「ツールの一つ」であり、データだけを追求しても、選手を本当に成長させることはできないと強調しました。

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 最も重要なのは、データ収集や分析といった表面的な作業ではなく、監督、コーチ、選手といった現場にいる人々と「コミュニケーションを取る力」であると説き、データが示唆する課題を、現場の関係者と共有し、ともに解決策を導き出すディスカッション能力こそが、アナリストに求められる資質だということです。

 また、星川氏は、アマチュア野球界はアナリストのポテンシャルが非常に高いと述べました 。プロの世界は様々な立場の人がいて競争が激しいが、アマチュアでは選手や監督との距離が近く、自分が分析したことがダイレクトにチームの貢献につながるため、非常にやりがいがあると参加者に語りかけていました 。

■大盛況の質疑応答!最近のプロ野球のトレンドまで

 最後の質疑応答では、「経験とデータが食い違った場合、どちらを優先すべきか?」という問いからスタート!

 杉谷氏は、データは「予備知識」として参考にするものの、打席に立った時の感覚を最終的には優先すると回答 。星川氏も「圧倒的に感覚」を優先するとし、「データはあくまで参考」という点で同意しました 。

他にも「最近のプロ野球で注目すべきトレンドは?」「勝ち点に直結するデータはあるのか?」「WBCなどの短期決戦で大切にすべき選手の選び方とは?」

など、予想以上に多い質問に、2人は丁寧に解説していました。

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イベントの締めくくりに、杉谷氏が「もし18歳の時にデータと向き合える自分がいたら、もっと違った人生を歩んでいたかもしれない。」と語ったように 、今回のトークショーは、データがプロ野球界にもたらした変革と、それに関わる人々の努力や情熱を深く知る貴重な機会となりました。

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 総合学園ヒューマンアカデミースポーツカレッジでは、20264月から『野球トレーナー&アナリスト専攻』を新規開講いたします。各校舎で随時、学校説明会や入試説明会を実施中です。詳細はお近くの開講校舎までご連絡ください。

総合学園ヒューマンアカデミー ウェブサイト

https://ha.athuman.com/sports/course/baseball.html

〇開講校舎 連絡先〇

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