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専門校教育

マンガ・イラストカレッジ 「オンライン合宿でマンガ家デビューを目指せ!」初のオンライン全国合宿開催レポート!

 総合学園ヒューマンアカデミー マンガ・イラストカレッジは毎年、全国15校舎の学生が東京に集まって「合宿」を実施しています。「合宿」といっても単に宿泊して学生同士が缶詰めで学ぶだけではなく、そこには大手出版社や企業から編集者やマーケティング担当者なども参加するのです。そして学生たちは自分の作品を持ち込み、「プロ」の皆さんに講評をいただく、さらには担当者の名刺をいただき、「担当付き学生」つまり、デビューのきっかけがつかめる大事なチャンスなのです。

 今年はコロナ禍の影響で初のオンライン開催。オンライン合宿でも多くの学生が夢をつかめるよう、多くの工夫をしました。そのポイントを長年、学生に寄り添いこのマンガ合宿を盛り上げ、多くの学生のマンガ家デビューを支えている総合学園ヒューマンアカデミー札幌校 運営責任者 佐々木留美(ジュニアマネージャー)からご紹介します。

 マンガ・イラストカレッジは、マンガ家やイラストレーター等、絵の仕事を目指す学生が在籍しており「デジタルマンガ」「キャラクターデザイン」「デッサン」等、様々な絵に関する技術を学んでいます。なかでも特徴的なのが、全国の学生が一堂に集まる実習「マンガ合宿」「イラスト合宿」です。マンガ専攻は1年次、コミックイラスト専攻は2年次に行っています。

「マンガ合宿」では、各マンガ編集部へ自分の作品を持ち込み、その場で作品講評会が行われるのが目玉プログラム。例年、東京代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」に、100名超の編集部の方に来場いただいています。

 マンガ家を目指す方法は色々ありますが、「マンガ雑誌やWEB媒体の新人賞等に自分の作品(原稿)を投稿する」「編集部に連絡してアポを取り、直接持ち込んで編集部の方に見てもらう」この2つが一般的です。ここから受賞したり、持ち込みで編集部の担当付きになれたりと、大きな第一歩となるのです。

 マンガ専攻では、1年次の10月までに原稿を完成させて、編集部の方に各自の作品を見てもらい、名刺をいただき担当付きとなる事が1年次の目標です。100名を超える編集部の方が来場する「マンガ合宿」では、各々の希望の編集部に持ち込む事ができるうえ、想定していなかった編集部に持ち込んだことがデビューにつながるという場合もあり、学生のモチベーションが大きく上がる一大イベントの実習です。

 202010月、国立オリンピック記念青少年総合センターに学生・編集部合わせて200名以上が一同に集まる状況は新型コロナウィルス感染予防の観点から断念。ただし、事前に複数の編集部へのヒアリングですべての編集部が「ぜひ参加したい」と参加に前向きだったことを受けて今回は初の「オンライン合宿による持ち込み会」を実施しました。

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 「オンライン持ち込み会」はZoom上に1編集部員に1ルームを設定。15分区切りで設定した部屋に次々に学生が入室し原稿を見ていただく、という流れで行いました。実施時期の202010月ごろにはすでに世の中的にもZoomなどのツールを使うことが日常化していたこともあり、学生も編集部の方々もオンラインに慣れていたため大きなトラブルもなく、予定していた持ち込みは全て実施できました。

学生は各校舎から参加していましたが、ある校舎では直前に校舎が休講となる緊急事態が起き、急遽その校舎からの学生は自宅から参加することになりました。自宅から参加できたのは、オンラインだからこその対応でした。

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リアル持ち込み会では、100人超えの編集部の方々に一斉に原稿を見ていただけます。しかし、オンライン開催では、「学生一人につき2編集部に持ち込み」「持ち込み時間は15分」という制約のもと実施しました。また、時間を有効に使うため持ち込み原稿は全てデータ化。事前に編集部に送信することで、当日原稿を読む時間を削減しました。

 例年、全学生のチャンスを広げるため、各々の作品の「表紙絵」と「推し頁」をサムネイル集として印刷、持ち込み会開始までの時間帯に編集部の方々に見ていただき、「逆指名」してもらう制度があります。今回の「オンライン持ち込み会」でも同様のチャンスを作るため、サムネイル集を作成、今回参加いただいた編集部の方々に加えて、参加していない編集部の方々にもサムネイル集を送信することで、例年よりさらに多くの逆指名をいただくことができました。

また、通常、「担当付き」になった際に、編集部の方から「名刺獲得」という流れになるのですが、今回のオンライン開催ではルームを担当する講師が持ち込み終了後に、編集部の方々に「担当付きか否か」を直接確認していきました。

 リアルでもオンラインでも、編集部の方々に自分の原稿を見てもらうという「緊張感」は学生にとっては変わらず、今後の作品制作に役立つアドバイスを直接いただくことは大きな財産となります。オンラインだからこその工夫をすることでリアルとは違う中でも学生一人ひとりには貴重な時間を過ごしてもらえたと感じています。もちろんできれば、リアル実施の方が「多くの編集部に持ち込める」「実際に編集部の方々に会って話し、名刺獲得する」という貴重な体験ができることは否めません。でも一方で、オンライン開催であれば遠方に住む学生が参加しやすく、当日参加できない編集部の方々へデータで見ていただくことができるなどの良さもあります。今後は、状況が許すならリアルな持ち込み会も実施しながら、校舎単位などでオンライン持ち込み会も組み合わせるなど、学生のデビュー機会を増やしていく方向にしていきたいと考えています。

※事業部・役職名は2021年1月26日現在になります。

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