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カイシャ

子どもの知的好奇心を育み、"日本の明るい未来"を創りたい ~これが私の挑戦

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■プロフィール
ヒューマンアカデミー株式会社 児童教育事業部 戦略室長
藤井 美帆(Miho Fujii)
大手教育事業会社に新卒入社し、幼児・小学生向け通信事業の販売マーケティング、事業運営、事業戦略に長年携わる。50歳になるタイミングを節目として転職を決意。現在はヒューマンアカデミーにて、教室数1,500以上、生徒数25,000名を超える日本最大規模のロボット教室などの運営を手掛ける児童教育事業の戦略室長として活躍。事業戦略の立案、商品企画開発、広告宣伝、DX化の企画・実行など幅広く携わる。
※2021年8月取材当時 ※教室数・生徒数は2021年3月末時点

■私が取り組むSDGs
目標4:質の高い教育をみんなに

私が取り組んでいるのは、ロボット・サイエンス・プログラミング・算数など理系の子ども向け教室事業を通じて、子どもたちに「STEAM」の力につながる経験や学びを提供することです。「STEAM」とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、教養・創造性としてのアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域の頭文字からつくられた言葉で、実社会での課題解決に活かしていくための教科横断的な教育を意味しています。子どもたちが、この「STEAM」の力を養うことで、何かを生み出したり、目の前の問題を解決につなげたり...社会の変化に柔軟に対応できる人材育成を支援していきたいと考えています。

■向き合う社会課題

私はこれまで長年にわたり児童教育事業に携わっており、日々、これからの日本を担う子どもたちに求められる力は何かと考え、真剣に仕事に向き合ってきました。その中で、強く感じているのは「多角的・多面的・複合的な視点から物事を観察し、解決していける力」。これこそが日本の将来、世界の未来を変えていくことにつながっていくと考えるようになりました。

なぜなら、現代社会が抱える多くの問題は複雑化しているからです。さまざまな状況が絡み合っており、それらの問題を解決しようとしたとき、「この課題にはこの解決策」とシンプルな方程式を当てはめクリアになることばかりではないのです。もっと言ってしまえば、解決策は1つではなく、たくさんの手法がありますし、そもそも目指しているゴールですら、1つとは限らない...。このような状況において、「1つの問いに対して1つだけの答えを導き出す教育」では、対応しきれない世の中になっているのだと感じるようになりました。

■解決に向けた取り組み

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では、一人でも多くの子どもたちが「多角的・多面的・複合的な視点」を持てるようになるにはどうしたらいいのか。その最初の一歩は、さまざまな事象に対して"面白い""楽しい"の気持ちを持って取り組むことだと考えます。実際に何かを体験し"不思議だなぁ"や"なぜだろう"と感じ、もっと知りたいと思う力はとても強い。保護者や先生の指示で取り組むこととは全く違う、大きなパワーを生み出すものになるんですよね。

そして、好きなことを増やしたり、深めたりする教育こそがまさに「STEAM教育」であり、私はロボット教室、プログラミング教室、サイエンスゲーツ(科学教室)、さんすう数学教室などの教室運営を通じて、この教育を広めていきたいと考えています。

昨年、取り組んだことの中の一つに、子どもたちの能力を客観的に評価・分析できる「ロボット教室会員向けのアセスメント」がありました。きっかけは、お子さんをロボット教室に通わせている社員の方の声。「子どもはすごく楽しんで通っているけれど、親から見ると何ができるようになっているのか全く分からない...。水泳教室の級のように、子どもの力が伸びたことが分かるようになればいいのに」と話をいただいたことがあったのです。教室に通う子どもたちが楽しい、面白いと思える何かを見つけるお手伝いをすることはもちろん、同時にご家族にもお子さまの成長が実感できるサービスや環境作りが大切なのだと感じた出来事でした。

そこから、開発担当の方と二人で新たな商品を開発。子どもたちも保護者の方も、結果を見て誇らしくなるようなものは何なのかを考え、試行錯誤を重ねていきました。全く何もない状態からのスタートでしたから本当に苦労しましたが、社内外の方々に力を借りながらなんとか形にすることができました。

■確かな手応え、見えてきた成果

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最終的に出来上がったのは「キミの"とくい"発見ワーク」というものです。能力を測るテストとするのではなく、得意なことを見つけるワークにしたことは、私のこだわりポイントでもあります。ロボット教室に通っている会員であれば解ける知識・技能の問題に加え、アンケート形式の問いに答えてもらうかたちで非認知能力も測れるように工夫。「空間認識能力」「創造力」など教室で身についたスキルや、「やり遂げる力」「意欲」など、その子の得意なことを言語化して「きみはこれが得意だね!」と明確に伝えることで、子どもも保護者も"誇らしい気持ち"になれる内容を目指しました。

結果、実際にこのワークを受けてくださった保護者の方からは、「私でも分からないような問題を子どもがすいすいと解いていて驚きました。ロボット教室に通ったことで、こんなことが分かるようになっていたんですね」「子どもの力が伸びていることが分かって良い。ぜひ今後も続けてほしい」などの嬉しいコメントを多くいただき、やって良かったと心から思えた瞬間でした。

その後、5,000人以上の会員の方がこのワークに取り組んでくれました。一般的な子ども向けの国内ロボット検定に関する商品においてトップレベルの受検者数を達成することができ、これもまた大きな手応えを感じられた瞬間です!課題解決につながる小さな前進ができたのではないか、と嬉しさがこみ上げてきたことをよく覚えています。

■私が目指す未来

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私たちが目指すのは、教室に通う子どもたちが、これは本当に好き、楽しい、面白いと思える何かを見つけて学びを深めるお手伝いをすることです。そのためにできることはまだまだたくさんあって、たとえば子どもたちがワクワクする教材であること、何かできたときの達成感が味わえるプログラムであること、それから今回開発した商品のように保護者の方に褒められて子どもが自信を持って取り組めるようになること...。これまで以上に頑張らないと!と、気合がはいります!

大事にしたいのは、子どもが好奇心を忘れていってしまうような教育ではなく、その力を大切に育てていけるような教育です。その力こそが、現代の複雑な問題を解決することにつながっていくと思っていますし、明るく楽しい日本の未来を創っていく力になると信じています。

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